子どもの指を使った足し算・引き算は良いこと? 放っておいていいの?

子どもが足し算や引き算をする際に指を使う様子を見て、親として「このままでいいのだろうか?」と心配になることはありませんか?指を使って計算する行動は、成長の一過程であり、子どもにとって重要な学びのステップです。しかし、放置するだけではなく、適切なサポートが必要な場合もあります。今回は、指を使った計算のメリットと、それをどのようにサポートすべきかについて解説します。

指を使う計算のメリット

子どもが指を使って計算するのは、自然なことであり、以下のようなメリットがあります。

1. 具体的な数の概念を理解するため

指を使うことで、子どもは「数」を目で見て確認し、物理的なものとして認識できます。この具体物を用いた学びは、数の概念をしっかりと理解するための大切なプロセスです。

2. 記憶に頼らず計算できる

足し算や引き算を頭の中で行うのは、大人でも簡単ではありません。子どもにとって指は「数える道具」として機能し、正確な答えを導き出す助けになります。

3. 計算の成功体験を得られる

子どもが指を使って計算を成功させることで、「自分にもできる!」という成功体験を積むことができます。この経験が、自信や算数への興味を育てるきっかけになります。

指を使い続けることのデメリットは?

一方で、ずっと指を使い続けることには注意が必要です。

1. 計算スピードが遅くなる

学年が上がるにつれて、指を使った計算では時間がかかりすぎる場合があります。特に、繰り上がりや繰り下がりのある計算や、大きな数字を扱う計算では非効率になります。

2. 応用力が育ちにくい

指を使った計算に慣れすぎると、数のイメージを頭の中で操作する力(数感覚)が育ちにくいこともあります。この「数感覚」は、算数や数学の基礎となる重要なスキルです。

では、どうすればいいの?

指を使った計算を無理にやめさせる必要はありませんが、次のような方法で、子どもの成長に合わせたサポートをすることが重要です。

1. 数のイメージを育てる遊びを取り入れる

指だけでなく、ブロックやビーズ、カードなどの具体物を使った数遊びを取り入れることで、子どもが数を視覚的に捉えやすくなります。たとえば、以下のような遊びがおすすめです:

・ブロックを使った「足し算ゲーム」
・サイコロを振って出た数を合わせる「引き算バトル」
・数字カードを使った「ペア作り」

2. 指を使わない練習を少しずつ始める

子どもが指を使うことに慣れてきたら、指を使わない方法も試してみましょう。例えば、以下の方法があります:

・「2+3は?」と質問し、頭の中で答えをイメージさせる。
・具体的な物を見せずに、問題を口頭で伝えてみる。
・数直線を使って、頭の中で数字を移動する練習をする。

3. 暗算や九九の練習を始める

学年が進むと、暗算や九九を覚えることが大切です。これにより、指を使わなくても計算できる力が身についていきます。焦らず、楽しく繰り返し練習することで、自然と指を使わなくなることが多いです。

4. 計算をゲーム感覚で学ぶ

オンラインアプリやボードゲームなど、算数を楽しく学べるツールを活用するのも効果的です。これにより、指を使わずに計算するスキルを楽しみながら伸ばすことができます。

子どもの成長に合わせたサポートが大切

指を使った計算は、子どもが数の概念を理解するための大切なステップです。無理にやめさせる必要はありませんが、子どもの成長に合わせて、指を使わない方法も少しずつ取り入れていきましょう。重要なのは、計算を楽しいものと感じさせることです。

指を使うことを過度に心配する必要はありません。「今のステップが大事なんだ」と理解し、子どものペースを尊重しながら見守ってあげましょう。やがて、子どもは自然に指を使わずに計算できるようになっていきます。